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非スター性アイドルの挑戦

増田担が狂喜乱舞している変ラボのマフラーグイのことが全く頭に入ってこないほど、待ちに待って、期待9割、不安1割だった「全世界極限サバイバル」がとうとう放送されました。

思い返せば、最初はKちゃんNEWSを増田さんがお休みしたところから始まっていたのです。「まっすーはお仕事でラジオ出来ないからね」と言う慶ちゃんに、「収録のラジオに来られないほどのお仕事とは……?」と疑問を持ち、「もしや海外での仕事……?」など、想像していました。その仕事内容も具体的に想像していたのですが、現実は私の想像の遥か上でした。

 

その仕事の全貌が明らかになり、予告を見て、私は、ずっと逃げていたことと向き合う時が来たんだな、と感じました。「全世界極限サバイバル」の予告の増田さんは今まで可愛いお嬢様ポーズでひた隠しにしてきたヒゲを伸ばし、顔に笑顔はなく、そこに居たのはアイドルまっすーではありませんでした。
増田さんがマシュマロを生成する妖精だとはさすがに思っていませんでしたが、つるつるでぷにぷにで、ちょっとぽちゃっとしていて、ニコニコ笑って歌って、時々毒を吐くのがまっすーでした。増田さんの中でも、まっすーはヒゲも生えないし、車の運転もしないし、まだ誰のものでもないのでしょう。そんな虚像を増田さんは演じてくれて、私たちはそれを虚像と分かっていながら、当たり前のように受け取っていたのです。それがどれだけ大変なことなのかは想像もつきません。
増田さんがまっすーで居てくれたのは、ファンのためなのか、自分のためなのかも分かりません。増田さんの理想のアイドルがまっすーなのかもしれないし、自分が出来る範囲での最大限のアイドルがまっすーだったのかもしれないし、まっすーでいることでしか自分のアイデンティティを実感出来なかったのかもしれません。それらは全て一ファンの妄想でしかありません。でも、そんな増田さんとファンで作り上げた、増田さんとファンが愛してやまないまっすーは、「全世界極限サバイバル」の予告には居ませんでした。

 

予告に映っていたのが、まっすーではなかったショックと同時に、自分では潔癖症ではないと言い張るが、メンバーから見ても、ファンから見ても、どう考えても重度の潔癖症で、蝶すら「気持ち悪い」と言い放ち、釣った魚さえ触れない増田さんがサバンナに行く、ということにも動揺しました。
単純に、物凄く心配でした。お仕事だからとか、他の人はやってると言いたくなるのも分かりますが、やはり苦手としているのをよく知っているからこそ、苦手なものの巣窟に、自分の好きな人が飛び込んでいくと知って、心配しないファンはいないと思います。そして、ここで苦手なことを克服して成長してこい!と言えるようなファンではない、ダメなファンの私は、増田さんはそんなことをしなくても……と思ってしまうのです。蚊すらやっつけることが出来ない人がサバンナなんかに行けるわけがない。いろんな意味で不安材料しかない番組が、増田さんの次のお仕事だったわけです。それはそれは、動揺しまくりました。

 

不安を隠せないのはファンだけではなく、増田さんも同じでした。「俺を、ジャニーズまっすーを好きでいてくれた人がもしかしたら引く可能性あるね」とラジオで言ったり、いつものまっすーだったらないようなことが続き、それだけ増田さんも不安を感じているのかもしれない、と思えてなりませんでした。

 

そして、いざ当日。こちらの心の準備出来ていないのを見透かすように、増田さんから「まっすーのお知らせ★」という番宣メールが届きます。私はこのメールで腹を括ったようなものでした。

増田さんは何を思いながらこのメールの文面を書いたのだろうと考えるだけで、切なくなって、同時に嬉しくなりました。想像の範疇ですが、増田さんがこのお仕事をするに当たって、不安がなかったということはないと思います。増田さんはどちらかというと、チャレンジャーというよりも安定志向で、自分の得意なフィールド外のことに積極的に挑戦するイメージはありません。だからこそ、増田さんは今まで伸び伸びとしていたのだと思いますが、そんな増田さんが見てもらうことに対して不安を抱えるようなお仕事にチャレンジしたのです。それはサバイバルに挑戦したことと同じくらい大きな挑戦なのではないか思います。

増田さんの不安を想像し、その決断の意味を想像すると、自然とサバイバルを見るのが楽しみになりました。増田さんが決断した結果を、こんな形で共有できるなんて、ファンとしてこんなに幸せなことはありません。

 

そしていざ番組が始まって見ると、増田さんはとても可愛いままでした。ヒゲが生えても、疲れていても、特に違和感はなく、可愛い増田さんのままです。確かに、ヒゲは生えない、トイレには行かない、マシュマロや苺を生成するまっすーではありませんでしたが、可愛くて頑固で面倒くさくてかっこいい増田さんがそこにいるだけでした。
これを見て、どう嫌いになれというのか。苦手なフィールドで、懸命に努力をする増田さんを見て、尊敬はすれど、嫌いになんてなれるわけがありません。ただただ、挑戦し、耐えている増田さんはかっこよかったです。


まっすーがいなくなってしまう、という心配は解消されましたが、次の心配事も同時に発生しました。もしかして増田さん全然目立ってない……?
武井壮さん、西川貴教さん、佐野岳くん、このお三方はそれぞれのジャンルで頂点ともいえるほどの身体能力を持っている方であり、とにかく凄い。それぞれの能力に合わせたミッションだったような気がしますが、この三人が凄すぎて、増田さんの映像がとても地味に見えてしまうという事態に陥りました。増田さんが辛いことをしているのはよく分かるんですが、ファン以外が見たら、やはり三人の脅威の身体能力や激しいサバイバルの様子に目を惹かれてしまうでしょう。

そして、増田さんのサバイバルで唯一話題となっていった、ゾウの糞から絞った水分を飲む、というもの。これは本当に従来の増田さんだったらあり得ない行動だったと思います。そこまで追い詰められていた上での決断。それを飲んだ後に見つかる川。「素直に喜べない……」と言っていたのも無理はないです。私だったらもう心が折れてます。

 

潔癖症で虫嫌いの増田さんの新たな挑戦となった「全世界極限サバイバル」。その番組内で、虫嫌いというキャラクターは他者に使われ、潔癖症ということも話題にならず、ただひたすら歩くだけの地味な映像は、あまり使われることもなく、さらにはゾウの糞から絞った水分を飲んだ後に川が見つかるという絶望的な状況、そしてラストは早くも遅くもないゴール。
こうしてみると、四人の中でも目立った何かがあったわけでもなく、苦手なことに挑戦したがそれによる見どころもなく、辛いことをしたにも関わらず見せ場もなかったように思えます。
でも、私はそれを見ながら、これが増田さんなんだよなぁと思えて仕方ありませんでした。頑張って努力をしていても、それが結果に繋がらず、ここぞという時にチャンスをものに出来ない、不器用で要領が悪くて、それでも「楽しかった」と言えるのが増田さんなんだと改めて思えました。

四人とも大変なミッションでとても辛かったと思います。でも、その中でゴールして泣いたのは増田さんだけでした。増田さんが弱いのか、他の方の強いのかは分かりませんが、これが私の好きな増田さんだなぁと思って、幸せな気持ちになりました。


私はスターにはなれない増田さんを好きになったのです。増田さんは、ここぞという時にやり遂げられる天性のスターではありません。それでも、ファンに辛いところを見せずに、笑って泣いて歌ってくれるアイドルなのだと再確認しました。
スターとアイドルはイコールではないからこそ、増田さんはアイドルに固執をするのかもしれません。増田さんのアイドル性も天性のものではなく、増田さんが努力して会得して作り上げたものなのでしょう。さすがはセルフプロデュースアイドルまっすーと言いたくなります。
トップへ上りつめるためには不可欠なスター性が今の増田さんにはないのかもしれませんが、それはいつか身につくかもしれません。そして、それがなくても増田さんは自分で自分をアイドルに仕立て上げることが出来たのですから、いつかは自分で自分をスターに仕立て上げるかもしれません。そうやってゆっくり一段ずつ上に上がっていくのが増田さんらしいと思います。それをゆっくり見守っていきたいです。
スターではないアイドル増田貴久をさらに尊敬することが出来た「全世界極限サバイバル」でした。増田さんの価値観が変わる瞬間を共有させてもらったことは、ファンとしてこの上なく幸せでした。