読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

二軍のFNS歌謡祭

 今年はFNS歌謡祭が初めて、二日間に渡って放送された。第一弾が12/2に通常の形式で放送され、第二弾が「THE LIVE」と称し、ライブ形式で放送された。ジャニーズも多く出演し、第一弾組と、第二弾組とで分かれた。NEWSは第二弾組。ここで当たり前のように浮かぶ疑問がある。これは一体どういった基準で分けられたのか?

 組み分けの基準は、ただの視聴者である私には分からない。様々な憶測が飛び交うが、その真相は闇の中。それならば、想像するしかない。想像するのは自由だ。

 この組み分けを見た私の印象は、誤解を恐れずに言うと、第一弾組が一軍で、第二弾組が二軍である。一軍が良い、二軍が悪いという話ではなく、単純に第一弾組はレギュラー番組や、主演ドラマ、映画を持つメンバーが在籍するグループが多くいるからだ。その選抜メンバーに入らなかったグループが第二弾組というイメージを持った。これはあくまでも私の印象であり、ただ単純に二つに分けただけ、という可能性もある。しかし、その可能性があるのと同じように、何かしらの作為的なものがある可能性も十分にある。

 第二弾組のトップバッターであり、ジャニーズのメインを務めたV6は特別枠であるが、NEWSを含めた他のグループは選抜に落ちた二軍なのかもしれないと感じた。断っておくと、私は第二弾のグループがとても好きだ。しかし、客観的に見るとそう思えるのも事実だ。

 

 ジャニーズ二軍のパフォーマンスを見ることが出来る第二弾。第一弾とは異なり、観客をいれて、ライブ形式で行われるこの第二弾であるが、個人的には、第一弾と比較しても見劣りしないほど良かったように感じた。FNS歌謡祭の特徴であるアーティスト同士のコラボを中心とした第一弾もとても見ごたえがあったが、第二弾のライブ形式は単純に迫力があった。臨場感もあり、ファンと一体になって盛り上がる様子は、画面越しにも伝わり、出演者の表情も生き生きとしているように思えた。FNS歌謡祭特有の目の前にアーティストがいるステージよりも、やはり「ファン」を目の前にした時のアーティストのパフォーマンスは圧倒的な引力がある。

 ジャニーズのパフォーマンスといえば、まずはV6メドレー。新旧のグループが入り乱れ、先輩であるV6とわちゃわちゃとはしゃぎながら、歌う様子はとにかく可愛らしい。V6のグループ性なのか、後輩にガンガンと絡みに行き、勝利くんを抱えたり、岡田さんが後輩のお尻を狙ったり、三宅さんが慶ちゃんと肩を組んだりと、楽しそうな雰囲気が伝わり、ジャニーズにしか出来ないメドレーになっていた。

 タッキー&翼の完成されたパフォーマンスや、セクシーゾーンのキラキラしたアイドル全開のパフォーマンス、ABC-Zの誰にも真似できないアクロバティックなパフォーマンス、ジャニーズWESTの楽しさが伝わるパフォーマンス、KAT-TUNのダイナミックで美しいパフォーマンス。どれをとってもとても二軍であるとは言い難い。要は、最高のアイドル達しかいないのだ。

 NEWSの境遇も境遇なので、どうしてもこの二軍グループに私は感情移入してしまう。大人達に翻弄されて、メンバーの数が変わるグループや、デビューしたはいいが宣伝もあまりしてもらえないグループ、メンバーが欠け続けてもなおグループを守ろうとするグループ。第一弾組が平坦なアイドル道を歩んできたとは言わないが、NEWSを含めたこの二軍グループは過去も、未来も、平坦であった時期がほとんどない。その二軍グループがファン達の前で最高のパフォーマンスをしている。大人達に期待をされていないアイドルが誰よりもアイドルを全うしている。第一弾を見て、さらにこの第二弾を見て、そう感じてしまった。この二軍グループはもっともっと高みに行くべきだとそう感じたのだ。

 

 そして、NEWSは今回、来年1/20に発売する新曲「ヒカリノシズク」を歌った。ジャニーズ初の小説家であり、ベストセラー作家となった加藤シゲアキの小説を原作とした深夜ドラマ「傘を持たない蟻たちは」の主題歌となる曲だ。それをこの第二弾FNS歌謡祭のジャニーズグループではトリとして披露したのだ。もうこれだけで、NEWSに関して涙腺が弱体化している私は泣けてしまう。

 ベストアーティストと同じく、他のグループがシングル曲を歌う中、NEWSは来年発売の本邦初公開の曲だ。世間はおろか、ファンですら聴いたことのない曲を音楽祭で披露したのだ。相変わらず、特異な存在すぎる。でも、それがNEWSというグループなのだ。

「ヒカリノシズク」披露はまだ先になるだろうと思っていたので、四銃士かと予想していたが、「ヒカリノシズク」披露をFNS歌謡祭直前のジャニーズウェブでの日記、NEWS RINGのシゲの更新で知ることになった。直前に急いで伝えるように更新されたNEWS RING。いち早くファンに対して本人の口から伝えようとするところが、NEWSらしい。そして、それがNEWSの魅力だ。

 この日記の中でNEWSは新曲やっちゃいます。私のドラマの主題歌のヒカリノシズク」と言うシゲを見て、こんな当たり前の言葉がNEWSのメンバーから、シゲから、聞けたことに、とてつもない喜びを感じた。自分が出演したドラマの主題歌を宣伝するというごくありふれたジャニーズの一場面であるが、NEWSにはあり得ないことだったのだ。それを一番初めにシゲが達成した。それだけでも、とてもすごいことであるのに、そのドラマの原作を担当しているという快挙を成し遂げている。加藤シゲアキとして原作を担当し、NEWSとしてドラマ主題歌を担当している。こんな快挙を成し遂げられるのは後にも先にもNEWSだけであり、加藤シゲアキだけだ。それをこの二軍として選ばれた場で披露したのだ。やはりNEWSは特異な存在すぎる。そして、それをとても誇らしいと思った。

 誰にも真似できない功績を、この期待されていない場で披露するNEWSの美しさこそ、誰にも真似できないアイドル像である。そんなNEWSらしさが詰まったステージであった。

 

 「ヒカリノシズク」についてはまた個別に語りたいと思っているが、完結に言うと「様々な過去や経験を経て、やっと歌うことを許されたNEWSの王道アイドルソング」だと感じた。王道アイドルを進むべき人材が揃っているにも関わらず、それが許されなかったNEWSが、他グループとの差別化を図るために駆け抜けた2015年の締めくくりが、この王道アイドルソングの「ヒカリノシズク」だ。新しい一面を見せてくれたNEWSが元の位置に戻ってきたような気がした。様々な色を取り込み、どんな色でも自分たちのカラーにしてしまうNEWSの辿り着いた新たな色が、この透明感溢れるほど美しい「ヒカリノシズク」という曲だった。

 上を見上げるシゲのカットから始まり、シゲのソロパートから始めるこの曲。その姿は言葉に出来ないほど美しかった。「俺はNEWSに必要ない」「間引くなら、俺だろうな」と自信を持つことが出来なかったシゲが、一カ月のうち仕事がほとんどなく、映画ばかり見ていた、と言っていたシゲが、「仕事をください」と言って、「何が出来るの?」と言われて、瞬時に言葉が出てこなかったシゲが、「NEWSのために、何かがしたい」と未知の領域に飛び込んだシゲが、他のメンバーには出来なかったことを成し遂げた瞬間が、この二軍ばかりのFNS歌謡祭だった。それを手放しで喜んだのは、NEWS担は勿論、メンバーも同じ気持ちだったのではないかと思う。

 そして、焦らしに焦らされたNEWSの出演は、ジャニーズでは最後であった。第二弾FNS歌謡祭のジャニーズ部門ではトリを飾り、そこで未発表の新曲を歌わせて貰えた。これは大きな一歩だと思う。NEWSを含め第二弾FNS歌謡祭に出演したグループの上にはまだまだ多くの人気グループがいる。その中のどのグループが数年後人気になっているかは関係者もファンも本人達にもわかるものではない。

 NEWSはこの二軍の中で、やっと一軍の背中が見えるところまで上がってきているのではないかと思えた。クリスマスにある某音楽番組のように、明らかな不条理に納得できないことも多々あるが、それはNEWSの実力や人気が、その不条理を跳ねのけるところまで達していないから仕方がないことだ。しかし、その不条理をひとつずつ取り除き、この「ヒカリノシズク」を歌うところまで辿り着いたのはNEWSの実力と努力以外のなにものでもない。あと必要な「人気」はファンが頑張るしかない。NEWSの努力が実を結ぶように応援していきたいと改めて思った。

 今はまだ二軍にいる今回の第二弾のグループは発展途上であったり、安定期であったり、いろいろな状態であるとは思うが、そのグループのどれもが二軍なんて考えられないパフォーマンスだった。来年もFNS歌謡祭が二部構成で放送されるとしたら、メンバーは変わってくるかもしれない。アイドルである限り、比較や優劣からは逃げられないが、アイドルの本質は、誰かの中で一番のアイドルであれば、それが一番のアイドルである、ということであると思う。今はまだ期待もされていない二軍の中でも、全アイドルの中でも、やはり私にとっての一番のアイドルはNEWSであると実感できた素晴らしい番組だった。

「ヒカリノシズク」を歌うNEWSより美しいものなんてない。